子どもが必要としているのは?「甘やかし」と「甘えさせ」の違い
子どもに「みんなが持っているから買って買って」などといっておもちゃをねだられ、容易に買い与えるのは「甘やかし」です。
日頃、よく面倒をみてやれない代わりにお金やモノで代償しようとするのが典型的な「甘やかし」なのです。
子どもに任せておくと危ないし、まどろっこしいので手を貸してしまう過保護も「甘やかし」です。
どちらも「かわいそうだから」「不安だから」「かわいいから」などという、親の側の感情や都合が先立っていて、親の安心感を満足させます。
一方で、子どもがなにかつらいことがあったり、悲しいとき、困ったときなど、心が動揺し、隙間ができて不安になります。
その隙間を埋めるためには、大好きな大人に抱きしめてもらったり、気持ちをわかってもらえたりすると安心します。
このように子どもの安心感を充電させるのは「甘えさせ」です。
日頃、子どもは親離れしたいと思うけれど、実際に離れていくのは不安です。それで安心感を充電するために甘えるのです。
そして、十分に甘えさせてもらうと、もう大丈夫と自分から離れていきます。
「甘やかし」と「甘えさせ」を混同すると、子どもが心の安定基地として親を求めているのに、お金やモノを与えて親が安心してしまうという間違いを犯します。
甘えさせてもらえる人がいるからこそ、子どもは自立していけるのです。