【2歳児】自己主張、わがまま、反抗から自尊心の育ちへ~大人の役割~
子どもの姿を発達の観点から理解してゆく
人はひとりでは生きてはいけません。社会の中で生活していくためには、他人に気配りをしたり、社会的な約束事に従わなければなりません。ところが、2歳児はわがままに生きようとする代表みたいな存在です。
大人から言われたことを理解したとしても、それを聞き入れるにはいかないという主張が、抵抗する態度(行為)で表されます。大人はこんな時よく「わかったの?わかったならちゃんと言われた通りしなさい」「どうしてわかっているのにできないの?」などとりつけるような言葉を発してしまいます。が、自我が芽生え、自分という心の世界を大切んいしたいという自尊心が育ってくると、子どもは、大人の言葉をわかっても、聞き入れたくないと強い自我で拒むのです。
他人の言うことを「理解すること」と「納得して聞き入れること」は違います。わかっていても、聞き入れたくない思いが強く存在すると抵抗になります。
自立を支える大人の役割
子どもが、思い通りにならない壁にぶつかり、混乱をおこしているとき、大人から叱られる代わりに、なぜ泣いているのかわかってもらい、何を訴えたかったのか受け止めてもらえると、自分の激しい感情に振り回されず、自分をしっかり支えてくれる人がいることを感じ、また、今度困難に出会っても、その人がいつも支えてくれるから大丈夫という自信がついていきます。子どもの感情混乱の理由、訴えを理解し言葉に添える共感が重要になります。
子どもの言うなりになてしまう大人のもとにあっては(過保護)、子どもの自我が育ちません。何でも要求が聞き入れてもらえるとわかると、だんだん要求の仕方がエスカレートしていきます。
かといって、大人の権威や力で子どもを屈服させようと体罰を与えたり、叱責したりすると、子どもは大人の力にはかなわないと諦め、だんだん本音を出さなくなってきてしまいます。
一貫性のない親のもとでは、子どもの価値観が育たず、自分をコントロールすることも難しくなります。子どもが困難に出会って混乱を起こしているときこそ、「困っているんだね、今、あなたは一生懸命自分と闘っているのね」という気持ちで待ち、子ども自身が立ち直ることを支えてくれる大人の存在が必要です。
大事なことは、自分で自分をコントロールできるように導いてあげることです。そういう意味で、2歳児の激しい自己主張は自立に向かう一歩なのです。