子どもの成長のペースと早期教育の是非
子どもの成長のペース
子どもの成長ペースも様々です。寝返り、お座り、ひとり歩きなどの運動能力の発達や、言葉の発達、おしめが取れる時期なども子どもによってすいぶんと異なります。
運動能力については早いけれど、言葉の発達は遅めだというような場合もありますし、全体的にゆっくりなペースの子もいます。赤ちゃんの頃が早く発達したからといって、将来的に運動能力が高いとは限りませんし、言葉が早く発達したからといって、頭がいいとは限りません。
どの子にも自分の時計があって、その能力が発達する時期が来るのです。その時期が来た時に、子どもは自ら能力を開花させていくのです。それを無理に速めることは、子どもに負担を与え、能力を開花させる喜びを子どもから奪ってしまうでしょう。特に、あまり早くから教育を強要することは考えものです。学ぶということに関しても、子どもの成長のペースを尊重しましょう。それも個性なのです。
早期教育の是か非か
人より早くとは思わないが、近所はみんなやっているので、せめて人並みにさせてあげた方がいいのか?
早期教育を売り物にしているセールスマンが、今すぐに始めないと、後では子どもに取返しのつかないと、親の不安をあおります。でも、本当にそうでしょうか?
苦労して遊ぶ時間を削って、3歳でひらがなを覚えた子と、3歳のころは砂場で夢中になって遊び、6歳になって文字に興味を持ち始め、あっという間にひらがなを覚えた子では、どちらが得るものが大きいと思いますか?どちらが失うものが大きいえしょうか?
年齢に合わない無理のある学習は、自分には出来ないのだ。という気持ちをかえって与えてしまいます。その年齢が来ればすぐにできることを、労力をつぎ込んで早い年齢でしようとすることは、無駄なことではないでしょうか。
それどころか、本当はその時期に必要なことをする時間を奪ってしまいます。
「せめて人並みに」との親心は、わからないでもありませんが、この人並みという発想も、子どもの発達の成長のペースを無視することに繋がります。それぞれ違って当たり前なのです。
一時的な満足のために、この時期の一番大切な課題である人格の土台づくりをおろそかにする必要はないのです。土台がしっかりしていれば、後から発達に応じて、子どもはぐんと伸びるものです。